スーパーロボット大戦 Snow Moon White.第一話 温もりの方程式 







 スーパーロボット大戦 Snow Moon White

第一話 温もりの方程式 














 視界一面に広がる不可思議な色に満ちた、空間。

 ゴーマの爆発後の空間にあった重力異常に引きずり込まれた結果、ここに辿り着いた。

 異次元空間のそれだと、すぐにわかる世界を見つめながら。

 エイジ達の意識は暗闇へと吸い込まれていったのであった……






「……うっ」


 小さな唸り声。

 まぶたを閉じているのに、真っ白い世界。

 強い光が、自分に当てられているせいだろう。

 かすみがかかった意識の中、エイジはそう思った。

 ゆっくりを目を開けると其処には――――――


















 手術台の上によくある束になった照明と、マスクに白衣をしながら、今まさにメスを顔にあてようとしている怪しい医者が映った。












『う、うわぁああああああああああ!!!!!!!!!!!』








 ナデシコCの医務室からすさまじい叫び声が響き渡った。



「またですか……イネスさん?」


 ブリッジで待機していたルリは、呆れた表情を浮かべながらそう呟いていた。

 ちなみに、ルリ以外はいつもの事とばかりに普通に作業をしている辺り、やはりナデシコクルーは伊達じゃないといったところだろう。

 



「な……何ィ!?!?!?!」

「……どうやら、あなたも違う世界から来たようで」


 意識が戻ったエイジを、渋るイネスをなだめてどうにかこうにか一般の部屋に移した後、状況の説明を聞くためにルリはエイジの部屋を訪れていた。

 無論、あのやかましい”ガキ”は連れてきていない。

 ちなみに、↑のガキ発言は作者の脳内が勝手に変換した事であって、ルリが言ったわけではなかったりする。

 で、エイジに説明をしていたのだが……


「おいおい……冗談だろう!?」

「いえ、本当の事ですよ……何なら、詳しい資料とか見ます?あなたの言う、21世紀から22世紀までの分ぜ〜んぶ」

「いや、それは……遠慮して置く……」


 記憶障害の可能性もあるとして、一応名前やらなにやら、一般常識から確認していったのだが。

 今の世紀……現在は”22”世紀であるという説明のところで、引っかかったわけである。


「そ、そんな馬鹿な!?今は二21世紀だろう!?!!?!」

「事実です」

 
 エイジの言葉をにべも無く言葉で否定すると、ルリは淡々と説明を始める。


「最近、頻繁にあなたのような今を22世紀だと知らない……別の世界、または別の時間を生きる人たちが頻繁にボソンジャンプしてくるんです」

「ボソンジャンプ?」

 聞きなれない単語に、首をかしげるエイジだったが、それにもルリは律儀に説明を加え始めた。

「ボソンジャンプとは……まぁ、簡単に言うとワープも時間移動も出来てしまう、22世紀の今現在戦艦などが使っている移動方法の事です」

「ワープ?!」

 エイジの驚きももっともだろう。

 21世紀の時点では、ワープなどといった移動方法はそれこそ、SF映画などにしか存在しなかったのである。

 それが、突然実現しているといわれたら……誰であっても驚きは隠せないであろう。

「話を戻しますが……まぁ、簡単に言うと何らかの外的要因によって偶然にもあなたは22世紀にボソンジャンプしてしまったというわけで、ご愁傷様です」

 まったくの無表情で、それを告げきると最後にぺこりと頭を下げて話を終わらせた。

 ……毒舌家なのはこの際置いておくとして。

 呆然としながらも、エイジは思考をめぐらせていた。

 今、自分は22世紀にいるという事。

 それは、多分ゴーマの爆発が原因でワープ……ボソンジャンプさせられてしまったという事。

 そして、今ここにいるのは”自分ひとり”であるという事。

「22世紀に……そうだ、リィルは、リィルはいないのか!?!?!?!」

 その結論に辿り着いたとき、ふと頭に真っ先に浮かんだのはルリとよく似た色の髪を持つ少女の笑顔。

 確かに、ボソンジャンプさせられたときエイジだけでは無くアルティメットグラヴィオンに乗っていた皆と、グラヴィゴラスに乗っていた皆も一緒にジャンプさせられたはずだ。

 それなのに、ここにはエイジ一人しかいない……其処に疑問をようやく感じた。

 そして、そのいない人として一番最初に頭に浮かんだのがリィルだったのだ。

 其処に何の意味が在るのか……ただいえるのは、こういった時は、通常喪失感がいちばん大きい、すなわち一番大事な人を思い浮かべるものではないだろうか?

「リィル……さん、ですか?……やっぱり、仲間がいたんですね……」

 だが、エイジの疑問に対して答えるルリの顔は重いものだった……

 ルリは知っているから。

 失う、大事な人のぬくもりが手のひらから零れ落ちていくときの喪失感を知っているから。

 ルリはその喪失感を与えるのが皮肉にも自分だった事に、少しだけ感謝したのだった。

 知っているからこそ、対処できる事もある……

「戦闘機、あなたが乗っていたのと、その他に形状の違う戦闘機を……私達は発見、回収しました」

「…形状の違う戦闘機……それで、リィルは!?」

「残念ながら……中にはあなた以外に誰もいませんでした」

 事実を包み隠さず伝える。

 幸いな事といえば、ボソンジャンプによく見られる素粒子分解……一般人が、高出力のディストーションフィールドを使わずにジャンプしたときに見られる粒子が無かったことだろう。

 下手をすれば、素粒子に分解され、遺体すら残らない死人となりましたと伝えなければならなかったのである。

 ルリはエイジの瞳をただ見つめ、その瞳に隠し切れない揺らぎを見つける。

 同様の悩みでも抱えない限りわからない揺らぎ。

「……大丈夫です」

「えっ?」

 呆然と、ただ告げられた事実にエイジは絶望していた。

 もしかしたら自分だけが助かったのではないか?

 自分以外の仲間は皆既に死んでしまっているのではないのか?

 暗い方向に、悪い方向にばかり思考が進んでいっていたときに、突然かけられた言葉がそれだった。

 思考を停止して、ただエイジもその瞳を見つめ返す。

 見た事も無い金色の瞳。

 見るものが見ればMC(マシーン チャイルド)特有の瞳だという事がわかるそれを、ただ見つめ返す。

 そんなエイジにかけられた言葉の続き。

「大丈夫……あなたが諦めない限り見つかりますよ……だって、だって、その人はあなたにとって大切な人なんでしょう?」

 ルリ自身が学んだ事。

 ルリ自身が信じている事。

 ただ、それを伝えたに過ぎない。

 それでも、エイジには十分で。

「……ああ、確かにそうだな……諦めなければ……見つけられるよな!」

 いつものはつらつとした表情を取り戻す。

「ええ、その調子ですよ……では、私は仕事があるのでブリッジに戻ります。あ、艦内を歩きたいならどうぞご自由に。道のあちこちに案内板があるから迷う事は無いと思いますよ?」

 その表情を見届けた後、ルリは簡単な言葉をかけてから、医務室の出口まで歩いていき、そこでふと立ち止まって、エイジの方を見直すとこう告げた。

「……当艦、ナデシコCへようこそ。あなたを歓迎します……えっと……」

「紅……紅 エイジだ、よろしく頼む」

「こちらこそ、よろしく頼みますね、エイジさん」

 いつもどおりの無表情で、ルリはエイジに歓迎の言葉を投げかけるのだった。

 ここに、一つの出会いが在り、ここに一つの始まりが在る。

 始まったのは、はたして人の存亡をかけた争いなのか?

 それとも、醜い人々の争いの一端なのか?

 それは、誰にもわからない事だった。

 その先を知るのはただ―――――


 




びーびーびー

「!?……ハーリー君、どうしましたか?」

「艦長、前方にMSと思われる敵影を確認。戦艦クラスが2と、MSが3機です!」

「わかりました……今そちらに向かいます」


 敵の接近を告げる音が医務室にも響き渡る。


「説明し忘れましたが、今この世界は戦争の真っ只中にあります……敵が接近してきたので、私は指揮を取りにブリッジに戻りますが……あなたはどうしますか?」

 
 医務室からまだ出ていなかったルリは、エイジの方を見て、その意思を確認する。

 これは、辛い選択であるはずだ。

 いきなり戦争であると告げられ、なおかつ今の現状をほとんど告げられぬままに何をしたいかを問われているのだから。

 だが、エイジの心はすぐにその答えを導き出す。

 其処に秘められたさまざまな事はこの際置いておくとして。

 今下す決断は一つばかりに、エイジは告げる。

「……俺が乗っていた奴は、まだ動けるのか?」

「はい、損傷が少なかったので、問題は無いとおもわれますよ?」

「なら決まってる……今を生き残って、大切な人を探すだけだ!」

 先程、ルリに告げられた言葉をわざともじって伝える意思。

 其処に込められた意思は、今このときは不動の意志だった。

「……そうですね、わかりました。整備班の人たちには私から伝えておきますから、エイジさんは格納庫のほうへ」

 多分、この人ならこういうだろうと予想していた言葉を受けたルリは、早速とばかりに用意していた言葉を投げかけて医務室を出て行った。

 去り際に。

「あ、そうそう……私、艦長ですから、其処のところよろしく」

「えっ……ええええええええええ!?!?!?!?!?!」

 さりげなくエイジを驚かせる発言を残しながら。

 
 
 戦争に巻き込まれていくエイジ。

 初めて体験する戦いに、エイジは何を見つけるのか?

 まず最初に粉雪が舞う。

 それは、儚い命という名の――――――しろい、ただ純白の雪。

 純白の花が宇宙(そら)に咲く。












 この戦争が何なのか。

 この醜い争いの先に何があるのか。

 その先を知るのは――――――ただ、優しい月だけ。




































 スーパーロボット大戦 Snow Moon White

 次回 舞い散る粉雪



 エイジは、命を狩る死神と成る。


 ただ、逢いたいがために―――――――!












琉璃
2004年06月23日(水) 18時35分16秒 公開
■この作品の著作権は琉璃さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
予想通り、スパロボは書くのが難しい!!!!
戦闘に辿り着けない!!!!!
次回、エイジ初戦闘!!
はて、僕がエイジを戦わせてまともな事があっただろうか?
ローダンセの序章ではあんな状態だし、Don't〜では、あんなダークなエイジだし…うわ、先行き不安だ!
このままでは……感想に怖い事を書かれてしまう!!!
あ〜でも……結構やバイかも?
何がやばいって戦力比が。
ナデシコCと、サブロウタとGeo―ミラージュでいったいどうしろと?
相手、戦艦2艦にMS3機(増援あり?)
まず勝てない……はぁ、誰か出演するなら増援で出すけどねぇ……出演したい人なんぞいないだろうなぁ。
皆、柿の種さんの方に出てるし……
でたいかも、とか思ってる人は、ぜひ感想と共にお願いします。
正確設定とか、細かい指定はチャットか、メールでお願いしますね〜
って、絶対いないよなぁ……はぁ
がんばって、続き書くかぁ
あああああ、はやくシャノンをゼフィリス様を出したい!!!!

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10 Myronprabs ■2021-04-16 00:09:43 91.210.251.159
違う戦闘機ってみてみないとわかんないし・・後の説明をまつとして。
エイジとルリの会話・・・違和感なかった。にしてもリィルが最初思いだすとは。
50 なおくん ■2004-06-27 19:16:06 211.134.238.170
>kuesuさん
文庫版ではちゃんと名前が出てきてましたよ。ほかにも何人か会話してましたし。
10 MM ■2004-06-25 09:39:16 133.7.7.19
>MMさん
たしかにテレジアは出てますが・・・・・タクロウは描写どころか名前すら出てきませんよ?w(文庫版だとどうなってるか分かりませんがDMの方はまったく登場してません。
10 kuesu ■2004-06-24 19:35:08 203.136.3.232
kuesuさんのいうとおり形相干渉能力でした。原作ではタクロウ&テレジアも最終決戦に参加してましたから可能ですよ、多分。 10 MM ■2004-06-24 09:37:14 133.7.7.19
 ぜひともタクロウ&テレジア組みにも参戦して欲しいですね〜( ̄▽ ̄テレジアはともかくタクロウはとっくに寿命で死んでるって突っ込みはこの際無しの方向でw
それが無理でもシーズはぜひとも仲間で出てきて欲しいですね〜
 ドラグーンのパワーバラスは損傷が激しく本体の能力(影)しか序盤は投影できないとかにでもすればやけに的の小さいスーパー系で済みそうですが、それよりも「人間」相手に能力が使えないってことのほうが問題な気が(^^;
30 kuesu ■2004-06-23 21:51:46 203.136.3.232
ボソンジャンプで移動出来るのは同能力を持つ演算装置がその世界にもある必要がありますしジャンパーであるか空間歪曲能力がある必要があるので、強力なエネルギーによる時空の歪みに巻きこまれてという事にした方が無理がないかと思います。設定を除けば話や会話の流れは面白いと思います。
前の感想でもいいましたが、竜機神は明らかにパワーバランス崩しなのでどうなるか楽しみです。
50 MM ■2004-06-23 20:20:39 211.120.212.174
オーバーなリアクションな気がします。まあ、流石に異世界に来てしまったということには驚くでしょうが。ボソンジャンプによって異世界から多くの存在が来ているという設定は面白いですね。ただ、もとからあったものとそうでないものの区別が難しいのでその辺のちゃんとした説明が欲しいですし、ただ、ボソンジャンプがあるというだけでそういった出来事が乱発するとは思えないので今後その辺に対する補足が欲しいと思います。長文の上に説教くさく、しかも途中で投稿してすいませんでした。でも、作品自体はプローローグも含めて面白かったのでこの評価で。 50 柿の種 ■2004-06-23 19:51:16 219.98.224.48
>SF映画などにしか存在しなかったのである
サンドマン使えますよ。そうでなかったら地球にはこれません。リィルが地球に来た時、そのトラブルで時間を超えてしまったみたいなこともいってますし。まあ、エイジの視点なので彼が気づいていなかった可能性もありますが、サンドマンが異星人だと気づいた時も対して驚かなかったか彼にしてはオーバーなリアクショ
10 柿の種 ■2004-06-23 19:42:17 219.98.224.48
何言ってるんです!Geo―ミラージュは創世機ですよ?
勝てるに決まってるじゃないですか!
ルリもいい娘ですし、精神面もばっちりです。力は存分に出せるはず。
50 tatsuaki ■2004-06-23 19:39:58 218.47.212.98
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